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燃え上がる可能性のある原発が10数機・・毎日新聞のお年玉 [原子力規制委員会、指針・基準]

2007年中越沖地震、柏崎刈羽原発で黒煙が上がり、建屋に延焼したら、原発は?!と心配しました。

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元旦に「全国で10基超が防火に不備 可燃性ケーブルを使用・・火災対策上の不備が指摘される原発が、全国に十数基あることが分かった。原子力規制庁と経済産業省の関係者がそれぞれ明らかにした。配線に可燃性電気ケーブルを使用したり、安全上重要な機器が近接して設置されたりして延焼の恐れがあるという。」と毎日新聞が報じました。

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原発は消防法では一般のオフィス、事務ビルと同じ扱いです。消火系の設備・配管の耐震性も、Cクラスで一般建築と同じ、耐震性が低い。柏崎刈羽では黒煙が上がり発電所の自主消防隊が消そうとしても配管が壊れて水がこなかった。福島第一でも消防車に水が来なかった。
消防法上ではデパートのように不特定多数の人が出入りしたり、飲食店のような火を使うところには非常に厳しい規制をかけていますが、原発はそうではないのでデパートとかに比べて緩い規制の「オフィスビル並み」です。原発に火災が起きることによって、発電所の安全系統等が影響を受けるといった、その影響の大きさが考慮されたのは、1975年3月22日の米国ブラウンズフェリー1号機の火災によります。
1975年の原発火災

米国南部アラバマ州の北、テネシー川近くにあるブラウンズフェリー原発は、1966年に建設が始まり1973年12月から運転を始めました。原子炉の型は福島第一と同じ下部にドーナッツ状の圧力抑制プールをもつ沸騰水型で1065万kw.、TVA(テネシー川流域開発会社)経営です。火災は、原子炉建屋と電気ケーブル処理室を連絡する貫通部でおきました。1975年3月22日、追加の電気ケーブルを敷設し貫通部にシール材を再封入しました。後は点検し、難燃性塗料を2度塗りするだけです。シールの検査で、火のついたロウソクを近づけました。原子炉建屋からの放射能漏れを予防するために原子炉建屋側が気圧が低くされているので、シールが不完全なら炎が風で揺らぎます。

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1本のロウソクの炎が、電気ケーブル処理室側でシール材に燃え移りました。シール材が可燃性の高い発泡ポリウレタンだったのです。原子力以外に分野では難燃性シリコンに変っていたのに、原子力の施設では可燃性の高い発泡ポリウレタンのままだったのです。作業員が電気ケーブル処理室の火を消し止め、処理室側は1mほど焼け焦げただけでした。ところが、電気ケーブルの絶縁や被覆に燃焼しやすい素材が使われていたため、貫通部の原子炉建屋側ではケーブルが燃え続けました。

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原発の配線は、A系、B系など多重化系統化されています。非常用発電機が2台A,Bと多重化されています、ほかの機器もそうです。それに合わせて電力供給や制御する電気ケーブルも多重化され系統化ています。これらは、A系がダメになってもB系は大丈夫となっていなければ役に立ちません。

ところが貫通部付近では、同じトレイに乗って分離されてませんでした。貫通部の原子炉建屋側ではA系のケーブルが燃えると、隣にあるB系に延焼する。こうして安全系の複数の機器が誤作動、誤表示を起こし、プラントの安全性が確認できない状態に陥ってから、原子炉建屋側での電気ケーブル火事に気付きました。発火から消火まで8時間かかり、安全系に属する628本を含む合計1,600本を超える数のケーブルが損傷しました。設備的な内部要因による原発事故は、ブラウンズフェリー原発火災のような火災が事故を引き起こす可能性が最も高い、他の要因の約10倍と後から分析されています。

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このブラウンズフェリー1号機は修理され運転再開しますが、NRC・米国原子力規制委員会がこの火災を教訓に81年にだした火災防護規則への適合など管理運転の問題から1985年3月に運転休止します。2002年5月、TVA社は将来の電力需要増をにらみ運転再開を決定。そのため20%の出力増強や難燃性ケーブルの採用、ケーブル貫通部への防火シールの施工、系統分離、延焼防止塗料の塗布など規制適合改修に約18億ドル投資。原子炉1基当たりにケーブルは1000~2000km。このうち安全上重要なものだけで数百キロあるので、莫大な金と時間が必要なのです。そして2007年に運転再開。

見做しで36年誤魔化してきた日本

日本では安全設計審査指針に火災防護の規定がありませんでした。まず、1975・昭和50年12月に設備・設計面を規制する「発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令」(通商産業省令62)に防火に関する規定「第四条の二」を設けます。1977年6月に安全設計審査指針6で、審査項目に火災防護を入れます。何度が改訂されますが、基本は (a)不燃材料又は難燃材料のケーブルの使用など火災発生の防止、(b)探知機やスプリンクラーの設置など火災探知及び消火、(c)防火壁など火災の影響の軽減の3方策。

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この日本の原発の火災防護規制の問題点は大きく3つあります。
一つは、1975年規制前の既存炉に規制をどのように及ぼすのか。
一つは、規制の内容の不備。
一つは、国内の核関係施設で1967年~2012年3月に136件火災発生。他分野のプラントでも多数発生します。そこから得られる知見・教訓・対策をどのような手順で規制に取り入れていくのか、その新規定を既設炉にどう適用していくのか。

防火に関する技術基準がでた1975年12月まで出来上がっていた、着工した原子炉は、23機ありました。これらには1年後まで適用しないことにし、そして作ったのが「見做し・みなし」規定です。例えば、ビニールやポリエチレンなどの素材でできた可燃性ケーブルでも、ケーブル表面に延焼防止剤と呼ばれる特殊な樹脂などを含む塗料を塗れば「難燃性ケーブルと同等と見做す。

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被覆に主に使用されているポリエチレンやポリ塩化ビニルなどは、
可燃物としては木材や石炭の1.4 ~ 2 倍の発熱量があります。

こうした電気ケーブルでは過剰な電流が流れ、それによる発熱で被覆するビニールなどに着火、発火する。表面に延焼防止剤が塗ってあっても、着火、発火する。延焼防止剤自体は燃えないが中の可燃性ケーブルは燃える。そして、同等を保証するという試験が「極めて不思議な試験で、・・決して延焼防止剤を難燃性ケーブルに替えていいというための試験ではない(原子力規制委・更田委員)」。

仮に同等としても、実際には「(浜岡原発の)ケーブル処理室を初めて見ました。ケーブルには延焼防止剤が吹き付けてはあるのですが、その吹き付けにはかなりムラがあり全然延焼防止剤がついていないケーブルもいくつも見られました。(浜岡原発運転差し止め訴訟・伊東良徳弁護士)」 出典 
また1976年頃に塗布していますから延焼防止剤は経年劣化している。

75年には23機ですが、運転終了・廃止が8機あり、こうした見做し規定適用は15機。
日本原子力発電・敦賀1、東海第二、
東京電力・福島第一5、6、福島第二1、
関西電力・美浜1、2、3、大飯1、2、高浜1、2、
四国電力・伊方1、
中国電力・島根1、九州電力・玄海1。毎日新聞の調べでは可燃性ケーブル使用は13機です。原発検査を行う「原子力安全基盤機構」が対策強化を非公式会合で複数回提案したが、会社側が難色を示し実現しなかったそうです。

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新基準を規制委が策定を進めています。火災防護は2012年11月21日の第4回発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム会合で取り上げられました。そして、この見做し規定は除かれる見込みです。
米国のブラウンズフェリー原発を見れば、改修には数年の年月と1000億以上の投資が必要です。これらの原発は運転開始から30~42年です。原発40年定年規制がきちんと運用されれば、改修後に運転がどれくらいの期間可能でしょうか。多くは防火投資が回収できる見通しが立たず廃炉が経済的に合理的と考えられます。
ただし経産省は「電力会社に古い原発の廃炉をのませ、代わりに新増設を進める作戦」と毎日新聞は報じています。  続く

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