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更田委員の指南の成果 (下の4) KK柏崎刈羽原発の液状化対策 ⑮ [地盤、液状化&断層]

更田委員の7月23日の第252回での指南の成果は、8月27日の第265回審査会合に出た。http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tekigousei/power_plants/00000069.html

議事録3頁「関西電力の浅野でございます。高浜発電所4号機の杭式防潮堤につきましては、・・今回は前回コメント等を踏まえまして杭式防潮堤全体の詳細設計の要点について御説明させていただきます。西海のほうから御説明させていただきます。」
「関西電力の西海でございます。・・本日の資料は、右肩に資料1-1と書いた杭式防潮堤の詳細設計についてというA4横のパワーポイント(右肩2ページは「杭基礎による支持性能の確保」、3ページは「地盤改良に伴う杭の支持力評価」、4ページは「地盤改良の効果の確認」)、・・右肩に1-2と付しました杭式防潮堤の詳細設計に関する補足説明資料、その2種類ございます。」
資料1-1の2頁の杭基礎による支持性能の確保は、「これまで説明させていただいた内容のおさらい(関西電力の西海氏)」である。しかし現地鉛直載荷試験結果が杭の鉛直方向の変位が10%以内に納まるから妥当という関電の主張に、規制庁からついた「10%でいいのかというのが、少し分かるように」との注文には答えていない。、
3頁は、低圧での薬液を浸透注入する浸透固化処理工法による「地盤改良がN値あるいはcに及ぼす影響について考察したというものでございます。」
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そして、2本の研究論文、技術マニュアルから「改良前後の物性値変化」N値とcの値を4例出してある。
論文表題「礫質砂の力学・変形特性」「砂の変形・強度特性」と、4例とも薬液処理前の粘着力cが値ゼロから砂質土層での研究評価と判る。粘着力はゼロから値が出る、上昇している。②の礫質では上昇幅が小さい。「薬液がゲル状に固結するということから粘着力、つまりcは、これは増大するということが知られております。」ただし、粘着力Cは粘性土層の周辺摩擦力に「0.8C×杭周長×長さ」と関係している。ただし液状化を起こし難い粘性土層、土壌は液状対策を行わない。高浜原発でも、積み重なっている地層で、粘性土層は工事から除かれている。工事対象の砂質土層の周面摩擦力には粘着力Cは無関係だから、砂質土層で上がっても意味がない。

砂質土層の周面摩擦力にはN値が、周面摩擦力=2N×杭周長×長さという関係で結びついている。N値は、重さ63.5kgのハンマーを75cm落下させて30cm打ち込むのに必要な落下回数。N値が大きいほどその地盤は強固。地盤の強さを示す指標の一つ。N値と相関関係がある”せん断抵抗角・φファイ”という情報が土質試験で得られる。関係式はφ=15+√15N、これは国土交通省の道路橋示方書に記載。φ=15+√20N、建築学会で使われている大崎の式。「もろもろの本にこういった関係が書かれている」議事録5頁

4例では薬液注入の前後でφ値に大きな変化は見られない。「地盤が割裂しないように低圧でゆっくりと薬液を注入するという工法でございます。・・土粒子の構造というのを崩すものではございません。そういったことから、せん断抵抗角の低下は生じないといえる」
だから浸透固化処理工法による「地盤改良によって杭の支持力は低下することはない」だろう、関電の高浜原発敷地でも低下することはないだろうと予測・評価は可能だが、実際に低下しないか、維持されるかは試験しなければわからない。

議事録5~6頁に「平面的・断面的に網羅する形で供試体を採取しまして、それに対して不撹乱試料を採取すると。それで繰返し非排水三軸試験」「杭式防潮堤の(1~4の)各区間について2層ずつ、それぞれ2試験、改良前後で計16試験やる」とある。資料3頁には2層は、盛土と第一砂質土とある。
4頁の「地盤改良の効果の確認」で書いてある。但し、高浜原発の土壌・土層は風化が進んでいて試験に用いる供試体、特に第一砂質土層から不撹乱試料の採取が難しいから「一般的なサンプリングに加えまして複数の特殊サンプリング、それから浅層部のブロックサンプリングを並行して実施しまして、採取が困難な不撹乱試料の採取率向上を図っていきたい」としている。

試料の採取が難しいから液状化工事の効果の確認が難しかった。同じ理由で、強度が増している事の確認も難しい。せっかく更田委員の指南の合格点の採れる答え方、「○液状化工事後に液状化しないということと、それから強度が増しているということを示してもらうと、そういう流れになるだろうと思います。」という話は、そのように遣りたいという「願望」で話は出来るけれでも、実際は難しい。

ただし、時は8月27日、「7月11日に削孔を開始し、同8月7日に薬液の注入を開始,同9月27日に薬液注入を完了」と工事の中間時点。工事許可は8月4日に出ているから、隠す必要はない。その実績、試料の採取が上手くできたか、数試験は行われたろうから地盤改良工事後に液状化しない試験結果が出たか、工事前後での粘着力cと”せん断抵抗角・φ”の変動などを話題にできる。そうすれれば「液状化工事後に液状化しないということと、それから強度が増しているということを」示せて、指南通りで良いではないか。

東京電力の姉川尚史(常務執行役)氏は「2015年7月、関西電力さんの高浜地点、ここは重要なところで、液状化の問題で大きな議論があった」といっている。どこが重要であったのか。それが、先日、2018平成30年5月18日の平成30年度第1回新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会で判った。

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更田委員は関電の指南役に変身 (下の3) KK柏崎刈羽原発の液状化対策 ⑭ [地盤、液状化&断層]

6月16日の第239回、7月23日の第252回の審査会合では、関西電力高浜原発の防潮堤の杭が地盤の沖積粘性層と杭の側面との間に働く周面摩擦力によって支持される摩擦杭であるが、地震時の地盤液状化でも防潮堤の杭基礎は心配ないと話は進んだ。関西電力が組立て、”御整理、御説明”した話の筋は(一)壌改良前の、打ち込んで防潮堤で現使用中の杭は、設計で設定してある周面摩擦力以上の摩擦力がある。(二)浸透固化工法による地盤改良で、周面摩擦力は増えることは起きても、減ることはない。(三)だから、液状化対策で浸透固化工法を施しても、杭は摩擦杭で機能する。
関電は(一)は現地鉛直載荷試験を行い、それで証明する、とした。それは先回採り上げた。関電は、直載荷試験結果が「杭の鉛直方向の変位が10%以内に納まる」事で確認すると6月16日の第239回で述べている。規制庁は「そこら辺について、我々は少し懸念していまして、・・10%でいいのかというのが、少し分かるように、・・御説明をお願いしたい」(中房悟・安全審査官)と釘を刺している。
時間に押されたのか(二)の「薬液注入の浸透固化工法による地盤改良で、周面摩擦力は増えることは起きても、減ることはない。」話は、主に7月23日の第252回になっている。
関電が確信犯的に違法状態
高浜原発3・4号機は、2015平成27年2月12日に設置許可は出ている。審査会合は意図的な大型航空機の衝突等を議題に続いたが、手続きは次の工事許可に移っている。工事計画のヒアリング審査は、2~4月にかけて規制庁のチームがおこなった。
000177411-1-s.jpg「大体一回りは全体当たった」後か最中の4月14日には、 福井地方裁判所が関西電力に再稼働を認めない仮処分の決定を出している。法制度的には止めがはいったが、規制庁主導の行政手続きは止まらなかった。それがヒアリングが「先行プラントのほうを参考にされ過ぎているあまりか、関西電力としての検討結果が見えないような説明」が度々なのを理由に、差し戻しの様に審査会合で規制委員会で採り上げようと4月23日の第221回審査会合から始まった。次の6月16日の第239回を終えても関西電力の「説明」は内容が規制庁チームの面々が「我々は少し懸念していまして」という代物。関電は、会議室の中ではこの体たらくでも、原発敷地現場では威勢よく、7月11日から防潮堤工事を開始した。
法では「工事に着手する前に、その工事の計画について原子力規制委員会の認可を受けなければならない。」と定められている。7月11日に入った工事業者は準備作業中で、着工していないという言い訳が通用するのは?
関電によれば、「地盤改良工事は,関西電力(株)より元請会社に発注し,元請会社以下協力会社を含めた施工体制で実施している。現地では,平成27 年7 月11 日に削孔を開始し,同8 月7 日に薬液の注入を開始,同9 月27 日に薬液注入を完了している。現場での施工状況を図-2に示す。」
(規制委員会管轄の原子力施設安全情報申告調査委員会事務局が出した「関西電力株式会社高浜発電所放水口防潮堤地盤改良工事に係る申告について」の8頁 http://www.nsr.go.jp/data/000177411.pdf
更田委員・現委員長が指南役
関西電力は確信犯的に違法状態を作り出している。規制当局は、違法状態の解消をせねばならない。検察など実力組織に告発したり、工事認可を関電に与えるなどやり方はある。許可なしに工事が始まってから10日以上たった23日でも告発していないのだから、規制当局の腹は何処にあるかは明らかだ。
(二)の「薬液注入の浸透固化工法による地盤改良で、周面摩擦力は増えることは起きても、減ることはない。」という関電話には、更田委員・現委員長の活躍が7月23日の第252回の審査会合では目に付く。

議事録15、16頁から
○液状化対策工事によって変わる物性が、周面摩擦力を低下させる方向の因子がないかどうかというのは確認しておく必要がある
○道路橋示方書の式というのも、・・論理的に言うと、(液状化対策工事によって)せん断強度が増しているというのは、周面摩擦力上昇させる方向です
○液状化対策工事を行った後、N値ないしc値そのものの上昇を確認する

cは粘着力cohesionで、単位はkN/㎡
N値は、N-valueで地盤の強さを示す指標の一つ。日本とアメリカでとくに頻繁に用いられている。重さ63.5kgのハンマーを75cm落下させて円筒形の試料採取器を土中に打ち込み,30cm打ち込むのに必要な落下回数で表す。N値が大きいほどその地盤は強固である。
道路橋示方書の式では、粘性土層の周辺摩擦力は、「0.8C×杭周長×長さ」または「2N×杭周長×長さ」
砂質土層では、周面摩擦力=2N×杭周長×長さ

許可なしに工事を始めても告発していないのだから、規制当局の腹は「早急に工事認可を関電に与え、違法状態の解消を図る」にあるのは明らかだ。
そうなると、更田委員は試験の採点役だけど、
○液状化工事後に液状化しないということと、それから強度が増しているということを示してもらうと、そういう流れになるだろうと思います。
合格点の採れる答え方を指南している。
その指南の結果は[?]

タグ:液状化
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第1抵抗力以内は関電の願望 (下の2) KK柏崎刈羽原発の液状化対策 ⑬ [地盤、液状化&断層]

4月23日の第221回で原子力規制庁の江嵜安全審査官より出された、3点の要望はその後の扱いは?
3点の要望 ①基準地震動の発生後、間もなく基準津波が到来すると、こう想定して津波防護については設計の基本方針を整理。②放水口側の防潮堤の杭基礎形式部は、杭の先端が岩着ではなく、杭の側面と周辺地盤との間に働く周面摩擦力、ここ高浜では沖積粘性層との周面摩擦力に支持される摩擦杭ですけど、その施工方法、この構造の健全性を、1・2号機放水ピットなどの既設鉄筋コンクリート部、地盤改良部の健全性についても、十分に検討した上で御説明いただきたい。
③鋼管杭にはプレボーリング工法を用いているけども、道路橋示方書では摩擦杭として道路橋の実績はほとんどないけども、この件も含めて御整理いただける。


これらは6月16日の第239回、7月23日の第252回での議論は次のよう。
①は住民側から出せてた批判に対するもの。その批判は「若狭地方においては、地盤が数十万年以降ブロック化しており、若狭湾内で起きる津波も、地盤ブロ ックの海底が突然上昇したり陥没したりすることによってもたらされるものであるがゆえに、沖合から押し寄せる津波と異なり、その動きは非常に複雑で極めて予測が困難である。また、津波は原発の近くで起こることになるので、ブロック境界断層の活動による地震発生から、津波発生、襲来までの時間は極めて短い。」そうすると、地震で地盤が液状化し脆弱化する地震直後の短い時間、さらに、いっ000115802-12nc-s.jpgたん揺れが収まった後の余震によって液状化が再度生じた状態のところに、津波の襲来を受ける可能性がある。
これに対してその時間帯の津波襲来を否定せず、地盤改良、浸透固化工法による地盤改良で、関電は対処するとした。これには②の健全性の説明が関わってくるが、浸透固化法で、液状化がどれ位弱まるかの論議になる。その論議の帰し方は既に検討した。


防潮堤の杭基礎が、杭の先端が岩着しその杭の先端に上向きに働く先端支持力によって支える支持杭ではなく、地盤の沖積粘性層と杭の側面との間に働く周面摩擦力によって支持される摩擦杭である事を前提に話は進んだ。関西電力が組立て、”御整理、御説明”した話の筋は?土壌改良前の、打ち込んで防潮堤で現使用中の杭は、設計で設定してある周面摩擦力以上の摩擦力がある。?浸透固化工法による地盤改良で、周面摩擦力は増えることは起きても、減ることはない。?だから、液状化対策で浸透固化工法を施しても、杭は摩擦杭で機能する。


関電は?は現地鉛直載荷試験を行い、それで証明する、とした。具体的には、現に設置され、使用している杭の中から選んだ杭を、そのまま試験に使用する。本設杭だから、引き抜いてしまうわけにはいかない。道路橋仕様書のやり方で算出される、設計上の周面摩擦力度に対応した荷重・力で引張る。設計上の周面摩擦力度は砂質土優位の地層・試験個所では1692kN、粘土質優位の地層・試験個所では1716kN。試験は、これらより大きい2000kNの荷重をかける。
(物理学・力学では、外から加わる力を、その方向に関わらず『荷重』と言う。)
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一般的には、杭が引き抜けてしまったり、変位が大きくなり、杭は伸びて長くなり外力がなくなっても戻らない変形として限界を超えてしまったと認識されて、そうなる直前の荷重に対応する抵抗力を限界の抵抗力として理解している。関電のご説明では、極限支持力とか第2限界抵抗力と名付けられてる。
荷重のピーク値が明確な場合、図のA曲線のような場合はピーク値と定義されている。ピーク値が明確に現れない図のB曲線の場合は、変形・変位は杭の径の1割、100cmの径の杭なら10㎝に達したときの荷重として定義している。10%程度を超えると急激に増加することが多く、経験的に示された
B曲線の場合は、荷重と変位量は1対1対応である。A曲線では、荷重は二つの変位量が対応している。抵抗力が荷重の変位とピークを越えた残留抵抗力が荷重の変位である。荷重の大きさだけでは、抵抗力がピークを越えた時の残留抵抗力である可能性がある。


関電はこれとは別の抵抗力の限界を説く。第1限界抵抗力とか最大周面摩擦力度と名付けられ、ご説明に出てくる。極限支持力・第2限界抵抗力より小さく、引抜けが起きない、変形も起きない変位はあるが外力・荷重消失で元に戻るような荷重・応力、抵抗力の場合だ。ただし、変位が荷重・外力がなくなっても戻らない、変形している場合がある。それの区分けは、引張りの途中で応力(引張荷重)の増加が急に低くなるが、変位・伸びが進むことだ。荷重に応じて発生する内力である応力の増え方が変わる。応力の増え方、微分が減少する。杭頭荷重 LogP-杭頭変位量 LogS曲線を描いたとき、曲線上に明瞭な折れ点が現れる。その折れ点の荷重を第1限界抵抗力、最大周面摩擦力度と定義する。

?LogP- LogS曲線が直線関係の場合や連続する曲線関係の場合など、折曲点が必ずしも明瞭でない場合や折曲点の判定による降伏荷重の推定が困難な場合が少なくないことが報告されている。それくらい第1限界抵抗力の考え方は、土木の世界では広く用いられている。実用されている概念である。


000115802資料1-3zu.jpg関電は、関電の現地鉛直載荷試験で用いる荷重・外力が第1限界抵抗力、最大周面摩擦力度内である。より小さい、変位はあるが外力・荷重消失で元に戻る、変形も起きないような荷重・応力である。何度受けても杭は無事な荷重・外力である。それを「杭の鉛直方向の変位が10%以内に納まるということ」で確認すると第239回審査会合で、関西電力の小倉和巳・原子力事業本部が述べ表明している。しかし、その確認は願望である。
変位が10%以内であれば、試験荷重・外力が極限支持力・第2限界抵抗力内である事は証明される。しかし、第1限界抵抗力・最大周面摩擦力度以下であることは証明されない。[←]左図で示したように試験された荷重が第2限界抵抗力から第1限界抵抗力の間である可能性がある。だから確認できるとするのは願望である。
規制庁は「そこら辺について、我々は少し懸念していまして、・・10%でいいのかというのが、少し分かるように、・・御説明をお願いしたい(中房悟・安全審査官)」と、釘を刺している。

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摩擦杭・周辺摩擦力問題は4月に一般化 (下の一) KK柏崎刈羽原発の液状化対策 ⑫ [地盤、液状化&断層]

もう一つの浸透固化処理工法の効果を確認する必要がある周辺摩擦力は、どうしたのだろう。

この問題は、4月23日の第221回で採り上げられている。原子力規制庁の宮本久・安全規制調整官、市原淑子・安全審査官によれば次の様な性格である。(議事録26、27頁)
「工事計画の審査ですので、ほとんどが細かいところをこつこつ確認していくということで、我々チームのほうで、」「これまでヒアリングのほうで事実関係の確認をさせていただいているところですが」「ほぼ1カ月半ぐらい今まで審査を進めてまいりました。それで、大体一回りは全体当たった」

「先行プラントのほうを参考にされ過ぎているあまりか、関西電力としての検討結果が見えないような説明を受けることがございます。その都度、指摘はさせていただいておりますけれども、今後このようなことがないような改善のほうをどのようにお考えか説明をしていただければと思います。」「まだ現時点においてもこつこつ確認という段階はなくて、やり方のところをきちんとまだやっていかなきゃいけないという段階だというふうに認識してございます。」

それで、関西電力は高浜3・4号機の工事計画認可申請書の中の詳細設計についてに「より詳細な御説明を行うということで、主なもの」17件を挙げている。

その内の10件目、「津波防護施設等の耐震評価」で「放水口側の防潮堤ですと、杭基礎式でございますので、杭基礎に作用する側方流動力が最大となる断面でFEM解析を実施する」と”御説明”されている。地盤液状化による側方流動(水平変位)を視野に入れてますよと関電は云っている。1995年1月17日の兵庫県南部地震、阪神・淡路大震災を経験している、特に神戸で側方流動を経験している関電が、忘れるはずはない。
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規制庁のダメ出し
これに対して原子力規制庁の江嵜安全審査官より3点要望が出ている。議事録24、25頁
①津波防護の施設については、構造上、津波波圧が作用すると思われますけども、この構造解析における波力の扱いはどのようにされているのかといった点についてお聞きしたいと。津波防護については基準地震動の発生後、間もなく基準津波が到来すると、こういった点を考慮して許容限界の設計の基本方針を整理いただけるということでよろしいでしょうか。
②放水口側の防潮堤の杭基礎形式部ですね、ここと、この資料には載っておりませんけども、防潮扉というのがございます。これらの杭支持構造なんですけども、そうした杭の先端が岩着ではなく、沖積粘性層に支持される摩擦杭ということをお聞きしておりますけども、その施工方法も含めて、この構造の健全性を十分に検討した上で御説明いただきたいと考えています。
また、それに加えて新設部だけではなく、1・2号機放水ピットなどの既設鉄筋コンクリート部、そして、地盤改良部の健全性についても同様に説明いただけるということでよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
③鋼管杭に用いている工法はプレボーリング工法とお聞きしておりますけども、この工法につきましては、道路橋示方書をひもときますと、摩擦杭として道路橋の実績はほとんどないとされておりますけども、この件も含めて御整理いただけるということでよろしいでしょうか。

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関西電力の液状化対策の効果は測らない? (中) KK柏崎刈羽原発の液状化対策 ⑪ [地盤、液状化&断層]

高浜原発防潮堤を地震動や津波の衝撃力から動かないよう護る抵抗力に、杭の岩盤打ち込まれた部位の抵抗力を「期待せず、周面の摩擦力のみで杭を支持する」とする、「摩擦杭」にすると2015平成27年6月16日の第239回審査会合で関西電力は云った。

地元住民らは、防潮堤杭周辺の地層は液状化する土質であり、地震時に液状化した状態で津波の襲来を受ける恐れがある。その場合防潮堤は破壊されるし、壊れなくても地盤と杭との摩擦によって杭は支持力を確保する設計だから、津波対策の役割を果たさないと批判した。


関西電力は液状化にはサンプル試験で防護の機能は損なわれないことを確認し、より安全性を高めるために、地盤改良を実施すると云う。シリカ・二酸化ケイ素SiO₂の薬品を地盤に注入して、水を、砂の粒子の間隙水を押し出し排除するという浸透固化工法を行なう。その工事を防潮提の海側陸側10m、幅1mの堤を挟んで約21m幅に施工する。この範囲は日本建築学会の定めている民間・学会規格〈建築基礎構造設計指針〉と同様だ、対象の土量がおよそ18万㎥になると見えを切っている。(第239回審査会)

=浸透固化処理工法技術マニュアル(2010年版)では、「浸透固化処理工法は、小型のボーリングマシンを使用して、構造物直下に注入管を建て込み浸透性のよい恒久型薬液を浸透注入し、地盤内の間隙水をゼリー状の固結物で置換することで地震時の過剰間隙水圧の発生を抑制する原理に基づいた液状化対策工法です。」=

その浸透固化法で、液状化がどれ位弱まるか、周辺摩擦力・杭と地盤との摩擦により発生する力が大きくなり杭が抜け難くなるか、施工した後に効果を確認する必要がある

弱まる改良効果について規制庁の江嵜審査官は「繰返し三軸圧縮試験ですか、この方法であれば、基本的には液状化の抵抗値を、抵抗程度ですね、これを直接的に評価できる、詳細な方法だと私たちはそう思っております」「改良後の液状化抵抗の性能確認の観点で、繰り返し三軸試験は必要と考えられますが、一軸圧縮試験中心に調査されるという理由をお聞かせください。」(議事録52、53頁)と問うている。一軸圧縮試験は液状化耐性を確認するものではないから、当然の問である。
一軸zu_ichijiku1.jpg

関西電力の西海宏則氏(原子力事業本部 土木建築技術グループ 課長)が答えている。
「浸透固化処理工法マニュアルに、この一軸圧縮試験をまずは採りにいくという考え方が示されておりまして、それに従っております。」「当地点の砂質土・砂礫層がかなり礫分がたくさん入っておりまして、」土質の力学的性質を試験するための強度試験に用いる「不撹乱試料をとるというのが非常に困難な地盤でございます。」採取できない場合が多いことが「これまでの調査で経験的に分かっております」
繰返し三軸なり一軸圧縮の試験をやろうにも、試験サンプル・試料が採れないことが多い、だから試験できないという泣き言が先ず有る。試料は、画像の様に自立できれば良い。締固めた試料や練り返した試料、砂質土主体でも自立すれば試験は可能であるとされている。「礫分がたくさん入って」いるので、崩れる易いのだろう。それでは、採れない場合は?

「強度試験に用いる試料が採取できないような場合については、浸透固化処理工法マニュアルには、シリカ含有量試験を行って、薬液が均等にちゃんと注入、規定の濃度のものが土粒子の間に入っているということを確認する。」そして審査会提出資料の〈高浜発電所3・4号機 工事計画認可申請に係る対応状況について〉6頁には「シリカ含有量~液状化抵抗の相関関係からシリカ含有量から改良土の液状化抵抗を推定する。」と書かれている。

一軸ー液状化ジ-s.jpgこのように繰返し三軸圧縮試験ではない他の代用の試験で代替したら、代替の結果を本試験結果に換算する換算式が必要だ。一軸から液状化抵抗を割り出す式は色々様々ある。シリカ含有量から液状化抵抗を出すには「換算方法は幾つかございまして、この浸透固化処理工法マニュアルの中に沿って、これに載っている式を用いて換算」。浸透固化処理工法技術マニュアル(2010年版)は平成22年6月発刊のA4 / 172ページ、現在は売り切れ。付属資料ー1.2改良土の液状化特性の3 定歪み型繰り返し三軸試験による液状化強度のページに式が載っているのだろう。その換算式、多くの施工実績から導かれた経験則的知見だろう。科学的根拠が十分にある、高浜原発の地盤についても有効である事を関西電力が原子力規制委員会・規制庁に論証しなければならない。しかし何もなされていない。

この点は原子力規制庁の森田・安全規制管理官(地震・津波安全対策担当)が「直接、液状化の耐性を図らない限りにおいては、何らかの算定式を、換算式をお持ちなわけですよね。お持ちというか、このマニュアルに書いてあるという説明でしたけれども。この換算式が本当に高浜の放水口側の堆積物の中で、正しいのかどうかという説明がどのようにされるんですか。この沿岸技術研究センターさんが作った換算式が、高浜のこの砂浜の堆積物で有効であるという説明はどういう説明をされるんですか。」「 この換算式が正しいと御説明をされたいのかもしれないですけれども、私としてはそんな説明をするよりは、非排水の繰返し三軸圧縮試験か非排水の液状化の中空のねじりでもいいですけれども、やっていただいて、証明をするのが一番近道だと私は思いますよね。」と諭している。


浸透固化処理工法で地盤・土壌改良すると関西電力は口にするが、それの効果を確認する術は??と云う処で2015平成27年6月16日の審査会合の論議は停滞し、問題は先送りされてる。関西電力は、2015平成27年7月11日から防潮堤工事を開始した。薬液注入は8月7日から9月27日までである。
工事は始まったが薬液注入前の7月23日、この日にあった第252回審査会合ではサンプル試料体の採り方、凍結とか大きくするとかに話は流れる。試料にならないのは、地盤の岩質が風化が進んでいて「礫分がたくさん入って」いるので崩れ易い事が根本にある。凍結などに採取法を変えても、この根本は解決しない。だから採り方を話題を逸らして、薬液注入開始までの時間稼ぎをしているように思える。


核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の第43条に「工事に着手する前に、その工事の計画について原子力規制委員会の認可を受けなければならない。」と定められている。その工事計画認可は、3号機8月4日と工事開始から24日後で注入3日前で、4号機は注入完了後の10月9日。また、第43条には、「原子力規制委員会の検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。」と使用前検査の規則もある。防潮堤の使用前検査は12月3日に行われ、合格している。


7月23日以降8月4日までの審査会合は、第256回7月30日で非公開。第264回8月25日は保安規定変更の話で液状化は議題にない。第265回8月27日では、浸透固化処理工法による地盤・土壌改良の効果の測り方は議題になっていない。もう一つの工法の効果を確認する必要がある杭の支持力、周辺摩擦力を取り上げている。第267回9月3日は保安規定変更の話である。第269回9月8日から第362回2016平成28年5月24日までは、非公開である。 つまり公開の場≒審査会合で議論をしておく必要がある、浸透固化処理工法による地盤・土壌改良の効果の話は、一つは浸透固化処理工法を施しても、多くの場合効果はあるだろうが、効果の程、大きさは測れないほど此処の高浜原発の地盤、岩盤は風化が進んでいると云う事であった。一つは、防潮堤の改良工事は、効果の大きさを測れると云う事でなければ始められない。それには科学的には学問的には未確立で、高浜原発敷地の放水口側の堆積物の中に適用できるか不明だが、シリカ含有量~液状化抵抗の相関関係の話があるという事。この二つが、公開の場≒審査会合で議論された後に、ヒアリング(資料など未公開)⇒工事許可⇒施工となっている。


さてもう一つの工法の効果を確認する必要がある事、杭の支持力、周辺摩擦力の話はどうなったのだろう。



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